相続対策は、まずご自身の財産がいったいどれくらいの価額になるのか、それにより相続税がいくらになるのかをきちんと把握する事から始めましょう。
そうすることで、方向性や具体的な手段を見誤ることなく、効果的な相続対策を取ることができます。
下記3点を軸とし、ご自身の状況に合わせた生前対策を行うことで、次世代の方にスムーズに財産を承継することができます。
故人が意図的にわからないようにしていない限り、通帳、領収書、納付書・請求書、郵便物、確定申告書等を確認し、宝石や絵画等がないかも確認しましょう。また、生前に税理士と関与していなかったか、もしくは親しい友人はいなかったかなど、故人の身辺の状況を思い出しながら、情報を整理してみましょう。
相続人に未成年者がいる場合、未成年者は単独で法律行為を行うことができないため、親権者や後見人が、未成年者の法定代理人として遺産分割協議に出席する必要があります。しかし、たとえば父が亡くなり、母と子(未成年者)が相続人になるなど、親自身が相続人であるときは、法律的に子と母の利益は相反しているので、母は子の代理をすることはできません。この場合には、親権者(または後見人)は、家庭裁判所に未成年者の特別代理人の選任を請求しなければなりません。
相続税の申告・納付期限は、相続の発生を知った日の翌日から10ヶ月以内です(10ヶ月後の該当日が土曜日・日曜日や祝祭日であった場合は、その翌日まで)。納付が遅れてしまった場合は延滞税が、また、税務署から申告が適正かどうか調査された場合に申告漏れがあった場合は加算税がかかってしまいます。10ヶ月以内に現金納付できない場合には延納や物納といった特例もありますので、早めに対策を立てましょう。
1.不動産の課税価格に対する割合が、75%以上の時の延納期間(最長)
不動産等に対応する相続税額・・・20年以内
不動産等以外に対応する相続税額・・・10年以内
2.不動産の課税価格に対する割合が、50%以上75%未満の時の延納期間(最長)
不動産等に対応する相続税額・・・15年以内
不動産等以外に対応する相続税額・・・10年以内
3.不動産の課税価格に対する割合が、50%未満の時の延納期間(最長)
5年以内
1.贈与税が10万円を超えていること
2.一括して金銭で納付できない正当な理由があること
3.納付期限に延納申込書を提出し税務署長の許可を得ること
4.担保を提供すること
すべての場合において税務調査が行われるわけではありませんが、国税庁の発表によりますと、相続の発生3~4件に対して1件は税務署員の訪問を受けているのが実態です。税務署の、相続税の申告書を専門に扱う部署が内容を精査し、「これは?」と思った人に対して事前調査を行ったうえで自宅へ調査に訪れます。
生前の所得に対して財産が少ない人や、死亡直前に大きな財産の移動があった人、多額の借入金があるのにそれに見合う財産がない人などは調査対象となる確率が高くなります。また、ご家族の預金も調査されますので、年齢や収入に見合わない多額の預金がある場合にも税務調査が入る可能性が高くなります。
相手は調査のプロですから、もし税務調査となった場合には相続申告と調査立ち会いの経験豊富な税理士が同席するのがよいでしょう。